2024年10月8日
TIPS

意外な原材料から作られている食べ物や飲み物

皆さんは、普段口にしているモノが、どんな原料、材料から作られているか、気にしたことがありますか?

健康に気を使っている人や、子育てをしている人、食材の出自が気になる人、知識として色々と細かなことまで知っている人、食の専門家、そういった人たちを除けば、目の前に並んでいる食事や飲み物がどんなものから作られているか、普段はあまり気にしないのではないでしょうか。「そもそも普段口にしているモノであれば、大抵どんな原材料から作られているか知っている」、そういう方が多いのでは?いわゆる「一般常識」として。そう、醤油や味噌、納豆なら「大豆」、チーズやバターなら「牛乳」、といったように、いつの間にか覚えた常識で、一通りの食べ物ならなんとなく知っていますよね。

しかし、「意外にもそんなものからできてたの??」という食べ物、飲み物も結構あるのです。

今日は、そういった「意外なものから作られている食べ物、飲み物」をご紹介しましょう。

アイスクリームに海藻が入っている?!

皆さんはアイスクリームを手作りしたことがありますか?牛乳と砂糖、卵黄、生クリームを使い、混ぜ合わせて冷やし固めます。冷やし固める際に30分おきくらいに何度か空気を入れるようにかき混ぜるとアイスクリームの出来上がり。チョコレートやバニラビーンズ(または簡易的にバニラエッセンス)なんかを加えればお好みのフレーバーに。少し手間はかかりますが、意外に簡単でおいしくできるのでおすすめです。

そんなアイスクリームですが、商品として出回っているアイスクリームには海藻が入っているってご存知でしたか?海藻といってもそのままで入っているわけではなく、イバラノリやアカモクといった海藻から水で抽出して作られる「増粘安定剤」として用いられます。(入っていない商品もあります。)

増粘安定剤は文字通り、粘性を増して食品を安定させるために用いられるもので、用途により「増粘剤」「安定剤」「ゲル化剤」などといった名前でも呼ばれます。少しでも温度が上がると溶けてしまうアイスクリームを溶けにくくして食感を保つために添加されているんですね。アイスクリームのほかにもゼリーやプリン、ジャム、ドレッシングなどにも用いられています。機会があったら、それらの商品のパッケージに書かれている原材料名を改めてチェックしてみて下さいね。

テキーラは大きなパイナップルから作られる?!

アガベ
アガベ

強いお酒の中では比較的好き嫌いの分かれやすいテキーラ。独特の香りと後味が、好きな方には堪らなく、好きでない方には苦手となるお酒です。ライムと塩で「カコンッ」とあおったり、カクテルにしたり。足に来ることも多く、飲み過ぎて「苦い思い出」をお持ちの方もいるかもしれません。

そんなテキーラですが、酒飲み、酒好きの方ならご存知、「アガベ」という植物から作られています。「アガベ」はリュウゼツラン科の植物で、テキーラの国メキシコでは「マゲイ」とも呼ばれています。このアガベは、糖化したデンプンが大量に茎にたまるのでその樹液を集めたものを煮詰めて「アガベシロップ」としても利用されるのですが、葉の付け根の肥大化したパイナップルを巨大化させたような茎を蒸し焼きにして絞った甘い汁を煮詰め、発酵、蒸留させて作られるお酒が「メスカル」と呼ばれます。

ユト・アステカ語族のナワトル語で「料理されたリュウゼツラン」という意味を持つ「メスカル」はメキシコ全土で作られており、その数は150種とも200種とも。この「メスカル」のうち、ハリスコ州テキーラで製造されているのが「テキーラ」です。サソリや唐辛子などが入った製品も有りますが、特に有名なのがグサーノと呼ばれるアガベに棲むボクトウガのイモムシが入ったもの。これはかつてアルコール度数が規定通り高いことを証明するために入れられるようになったのだそうですが、バーなどでは盛り上がるものの一つですよね。

カントリーマウムに白あんが入っている?!

大好きな人も多いお菓子「カントリーマウム」。しっとりとして食べごたえのある不二家のお菓子です。このカントリーマウムには、白あん(白ねりあん)が入っているのを知っていますか?クッキーのような焼き菓子に和菓子の白あん?と少し驚きますが、このカントリーマウム、そもそもが饅頭をヒントに作られたともいわれ、あの、通常のクッキーにはない二重構造、真ん中がしっとりとしたあの美味しさは、まさに饅頭のように白あんも入っていることで生み出されていたのです。

白あん入りの生地を低温でじっくりと焼き上げることにより、あのしっとり感を出しているのだそう。ちなみに、発売当初はあのしっとり感が珍しかったこともあり、「湿気ている」というクレームも少なからずあったということです。初めはすぐには認知されず、次第にその美味しさ、食感が認められるようになって、今や多くの人が知る定番商品の一つとなったという訳。開発・製造担当者のみならず、営業の人達のたゆまぬ努力などもあってのことだとは思いますが、ヒット商品ならではの逸話ですよね。

ピンクや赤は虫由来の色素?コチニール色素

「コチニール色素」と聞いて「?」と思った方もいるかもしれませんが、意外に身近な原料の一つ。蒲鉾やカニカマ、ハムなどの赤っぽい色がついている商品や、スーパーマーケットなどで売られている大量生産の和菓子などのうちピンク色がついているもの、ガム、清涼飲料水、かき氷のシロップ等に用いられている食品添加物がコチニール色素です。このコチニール色素は、コチニールカイガラムシ、ラックカイガラムシといったカメムシ目カイガラムシ上科の昆虫を用いて作られる天然色素です。乾燥させてから、熱水などで色素を抽出することによって製造される天然着色料です。中には「虫」と聞いて驚く方もいるかもしれませんが、あくまで原材料であり、食品に用いられるのは取り出された「色素」で、発がん性など身体に悪影響はないとされています。

ちくわに卵?

おでんの具の人気ランキングでもはんぺんや白滝などと並んでトップ10位に入るちくわ。そのままでも勿論美味しいですし、キュウリを穴に入れてカットしたおつまみも人気ですね。ちくわは漢字で書くと「竹輪」。かつては文字通り竹を用いて、魚をすり身にしたものを形を整えながら竹の周囲に付け固め、炭火などで炙って作られていました。今でも、昔ながらに製造している所では竹を用いて作っていますし、竹を抜かずに竹つきのまま商品になっているものもありますね。そんなちくわですが、スーパーマーケットなどで流通している大手メーカーの商品には魚のすり身に、卵が加えられていることがあります。具体的には「卵白」「乾燥卵白」等の名で原材料の所に記されています。ちくわと同じようなカマボコなどにも卵白は使われています。ちなみに、魚をすり身にして菜ばしなどに巻き固め、七輪やコンロなどでじっくり炙ると手作り竹輪を作ることができます。とても美味しいので是非試してみて下さい。