チャーハンと焼きめしの違いとは?え?炒めご飯もあるの??
ラーメン屋で、町中華で、高級中華レストランで、定食屋で、家庭で、冷食で、大人気の料理の一つ「チャーハン」。レンゲやスプーンや箸で、多少こぼれるのも気にせずにパクパクと食べる瞬間は、幸せの瞬間です。シンプルに卵とご飯で作られたものから、卵とハムと野菜の入ったオーソドックスなもの、海老やチャーシューの入った定番もの、金華ハムなどの入った少し豪華なもの、高菜やしらす、キムチ、サクラエビ、納豆、タコなどを用いたバリエーションなど、様々な味わいと見た目がありながらも、いずれもたくさんの人々に愛されているメニューの一つです。
そんなチャーハンですが、地域によって焼きめしと呼ぶ場所もあるのをご存じでしょうか?人によっては、正確には「焼きめし」と「炒飯」は全く別物ともいいますが、今日はチャーハンと焼きめしの違いを見てみましょう。
チャーハンと焼きめしの違い
大前提として、食べ物の呼び名や料理の名前は、よほど語源が確定しているもの(例えば近年にできたB級グルメで命名者が明らかなもの)などを除いて、「これが語源だ」と確定するのは難しいのだそうです。地域や家庭によっても同じ食べ物の呼び名が変わることなどよくある話。場合によっては同じ人であっても、「しなそば → 中華そば → ラーメン」「酒 → ポン酒 → 日本酒」などのように、時代や年代や状況などによって同じ食べ物・飲み物・料理を違う呼び方をしている、なんてことも。聞き間違いや省略、愛称なども含めたら、食べ物名や料理名がどんどん変化したり、別物に変わってしまうのは、仕方のないことというか当たり前なのかもしれませんね。
ちなみに本題である「チャーハン」と「焼きめし(焼飯・焼めし)」の違いですが、これはそもそも地域差によるところが大きそうです。辞書によると「チャーハン」は、中国語の炒飯の発音「チャオファン・ツァウファン」が語源。そんなチャーハンが広く日本でも食べられるようになった明治時代頃には、東京を中心とする関東地方を含む東日本一帯では、比較的すんなりと「チャオハン」の呼び名が定着、いつしか「チャーハン」と呼ばれるようになったとか。
一説には、東日本では「焼きめし」といえば「焼きおにぎり」をさしていたそうで、「チャーハン」はご飯を炒めて(焼いて)作る食べ物でありながらも、「焼きめし」としてすでに別の食べ物があったために、そのまま「チャーハン」の呼び名が定着。
一方で、西日本ではお好み焼き(その昔は一銭洋食等)などの粉モンを焼いた「焼き料理」、鉄板などで生地や食材を焼いた食べ物が当時から親しまれており、「チャオハン」というそれまでにない料理名ではなく、「焼きめし」と親しみやすい呼び方が広く浸透したといいます。
そのほか、卵を先に炒めるとチャーハン、ご飯を炒めてから卵を入れると焼きめしと呼ぶ、なんていう説も見かけますが、卵なしのチャーハンや焼きめしもありますし、その真相は定かではありません。一般的には、主に東日本ではチャーハン・炒飯と呼ぶことが多く、西日本では鉄板で焼いて作るご飯(卵は後から入れることが多い)を「焼きめし」と呼び、ひっくるめて「チャーハン」も「焼きめし」と呼ぶ人も少なくない、といった感じでしょうか。ほかには「用いる具材・食材によって、シンプルなものは焼きめし、卵や焼き豚や野菜などが入るのはチャーハンと呼ぶ」という人も。特に40代以上の人々は「焼きめし」と呼ぶ場合が多いようです。
さらには関西には「炒め飯・炒めご飯」という料理もあるので混迷を極めます。
余談ですが、東日本では一般的な「タンメン」は、関西地方ではあまりポピュラーではなく、知らない人も多いとか。「冷やし中華」も「冷麺」と呼ぶ人も多いといいます。ところ変われば呼び名も変わる、ということですね。
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