2024年4月25日
おすすめグルメ

上高地で長野県のご当地グルメ「信州サーモン丼」を食べてみた

先日、上高地へ行く機会があったのですが、ちょうどお昼時に入った店に「信州サーモン丼」なる食べ物があったので、気になって注文してみました。

「サーモン」と聞いて、すぐイメージするのはノルウェーでしょうか。もしくはチリかアラスカか。アラスカをイメージするのは、一頃よく読んでいた釣りのエッセーにキング・サーモンが登場したせいかもしれません。

いずれにしても、サーモンといえばスモーク・サーモン(smoked salmon)にレモンをぎゅっと絞って頂くイメージ。ケッパーなんかが添えてあるとちょっとオシャレです。とろりとした食感とスモーキーなフレーバー、旨味がどっしりと詰まった脂ののったサーモンは、思い出すだけでもお腹が「ぐぅ」となる食べ物の一つ。好きな食べ物を10挙げたら、その一つに必ず入るであろう、大好物。白ワインと共に頂くのもいいですが、上質な脂が残った舌をきついきつい蒸留酒で洗い流すのも最高です。

スモークサーモン以外にも小麦粉をはたいてバターで焼いたソテーなどもいいですね。サーモンとクリームを合わせたパスタも好きです。上にはぜひディルをトッピングしたいところ。

そんな「サーモン」が信州にあるとは全く知りませんでした。

信州サーモンとは?

注文してから運ばれてくる間に少し調べてみたのですが、「信州サーモン」とは 長野県安曇野市にある長野県水産試験場が作り出した品種で、約10年をかけて開発した養殖品種なのだそうです。ニジマスのメスとブラウントラウトのオスを掛け合わせて作られた品種で、銀色の身体と明るい紅色の美しい身が特徴。

バイオテクノロジーの技術を駆使して開発されたこの「信州サーモン」、ニジマスに比べて、身が肉厚の上にきめこまやか、ニジマスがかかりやすい病気には強く、2年ほどで体長50センチメートル前後、体重2キログラム前後にまで成長するのだとか。

繁殖能力を持たないので、通常産卵するために蓄えられ消費される「栄養」が身に蓄えられたまま、そのまま美味しさへとつながるので、うま味が濃いのだそうです。なんだかとても期待できそう。

そうこうしている間に、ビールが来たので頂きます。

松本ブルワリービール

「ごくごくっ」

お願いしたのは松本のクラフトビール「松本ブルワリービール」。飲み口さわやかで味がしっかりとしており、とても好み。疲れた体にしみこみます。

ほどなくしてお目当ての信州サーモン丼がしずしずと運ばれてきました。

「信州サーモン丼」

信州サーモン丼信州サーモン丼 みそ汁や小鉢、お漬物もついて1500円(税込み)

黒塗りのお盆の上には、艶々に輝く「信州サーモン」がのった丼と「お味噌汁」、煮物と胡麻和えが入った「小鉢」、信州といえばやっぱりこれ!の「野沢菜漬け」、そして醤油皿にはわさびらしき緑色の物体が乗っています。(何故わさび「らしき」かは、ほどなく判明)

まずはお味噌汁を一口。さすが「お味噌の国」信州の味噌汁。お水が美味しいせいもあるかもしれませんが、いつも飲んでいる味噌汁と一味か二味違う感じです。浮いているお麩がちょっとハート形なのもいい感じ。

次に「信州サーモン丼」を頂きます。大葉とガリがわきに添えられ、上には千切りのきゅうりとミョウガがトッピングされています。見た目的にも、きゅうりの緑色とミョウガの赤みがかったベージュ色がサーモンの紅色を引き立てています。サーモンの上には白ゴマがパラり。

「信州サーモン丼」輝ける「信州サーモン丼」

まずは、わさび(らしき)をつけずに醤油だけでサーモンを一切れパクリ。分厚く大ぶりにカットされた信州サーモン、口の中に飛び込んできたとたん、「旨味」が四方八方に飛び散ります。脂のうまみ、身の甘さ。ねっとりとした食感が舌の上にまとわりついて、離れません。コクがあってうまみが強いのに、本当にきめ細やかな感じです。分厚く切ってあるのにも関わらず、臭みや嫌味などまったく無く、ほどなくして喉の中に吸い込まれていきました。スモークサーモンも含め、サーモンは各地で色々と食べてきましたが、こんなサーモンは初めてかも。脂がしっかりとのっているのに、しつこさが全然ないのです。まさに極上。

次にわさび「らしき」ものと一緒に醤油につけてみました。口の中に入れると、わさびに見えたものは「わさび漬け」?どうりでワサビとは見た目が少し違うなと思ったわけです。(どうやら最初にお盆を運んできてくれた方が説明してくれたようですが、サーモンの美しさに見とれて聞いていなかったようです。)個人的には普通のわさびでも食べてみたかった気はしますが、「信州サーモン」の脂は優しめなので、普通のワサビよりもこちらのほうが辛みが強すぎず、合うという方もいるのかもしれません。

次に、わさび漬けを醤油に溶かしたものを丼の上に回しかけ、きゅうりやミョウガと共にサーモンとご飯を一緒にいただいてみました。サーモンの身の甘み、うま味がご飯のでんぷん質の甘みと合わさって、いい感じです。ぴりっとしたわさび醤油の辛み、塩気がまとわりつき、その間隙をキュウリとミョウガの爽やかさが通り抜けていきます。

マナー的には煮物や漬物、味噌汁と順繰りに三角食べをしなくてはいけないのかもしれませんが、もう「信州サーモン丼ばっかり食い」です。信州サーモン、まっしぐら。気が付けば丼は空に。

心にもぽっかり穴が空きました。

「もう少したべたい、もっと食べたい・・・。」

駄々っ子のような尽きせぬ欲望がやってきます。

でも、そこは大人なので、ビールと野沢菜漬けで気持ちの切り替えをします。いつ食べてもたいてい美味しい野沢菜漬けに救われました。煮物と胡麻和えも頂き、味噌汁を飲み干して、ごちそう様。

とっても美味しゅうございました。

上高地にお出かけの際は、ぜひ信州サーモン丼、試してみてくださいね。オススメです。

データ:上高地食堂
住所:〒390-1516 長野県松本市安曇上高地
電話:TEL.0263-95-2039 FAX.0263-95-2048

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