2024年3月30日
ローカル・スポット ミニガイド

浄名院

「八万四千体地蔵」で知られる上野桜木の浄名院は、その名の通り、境内に数多くのお地蔵様が居ることで知られる寺院。

JR鶯谷駅からなら7〜8分、東京メトロ千代田線の根津駅からまっすぐ道なりに坂道を上って12〜3分の場所に位置します。

浄名院のお地蔵様

徳川慶喜公や渋沢栄一家の墓所があることで知られる「谷中霊園」の入り口脇にあり、そばにセブンイレブンもあるのでわかりやすいと思います。

元々は、1666年(寛文6年)に寛永寺三十六坊の一つとして創建された浄円院(浄圓院)という名の寺院で、1723年(享保八年)に浄名院(浄名律院)となりました。

地蔵信仰のお寺として特に著名となったのは明治以降のことで、大阪生まれで1876年(明治9年)に浄名院に入った「妙運和尚」の代から。

妙運和尚は、25歳で日光山の常観庵に籠った際に地蔵信仰を得「千体の石造地蔵菩薩像を建立する」発願(ほつがん)をしました。1876年(明治9年)に浄名院に入り、1879年(明治12 年)千体の願が叶うと「八万四千体建立」の大誓願となったといいます。

1885年(明治18年)には地蔵山総本尊を建立。徳川、近衛、毛利等各家の奉納、それに倣った各界の人々の奉納もあり数多くの地蔵菩薩像が居並ぶ今日の姿となりました。

境内には青銅製の大きなお地蔵様(地蔵菩薩坐像)があるのですが、そちらは、かつて「江戸六地蔵第六番」の「地蔵菩薩像」があった深川の永代寺(富岡八幡宮の別当寺)が明治維新の神仏分離の際に廃寺になったことと、日露戦争の戦没者を弔うため、1906年(明治39年)に新たに建立されたものです。

浄名院のお地蔵様
浄名院のお地蔵様

こちらには、たまに寄らせてもらうのですが、いつも何かしらのお花が咲いていて綺麗な印象があります。境内の中に所狭しと居並ぶお地蔵様とのコントラストがとても印象的。

しだれ桜の咲く時期は特にきれいです。

浄名院の桜

寛永寺から徒歩2分くらいなので、上野散歩、谷根千散策の際に是非足を運んでみてください。ここら界隈では珍しく広めの駐車場もあります。

浄名院

〒110-0002 東京都台東区上野桜木2丁目6−4
浄名院
Jomyoin

浄名院
享保年間(1716〜1735)建立という表門

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